【花期】
11月~2月
【特徴】
両方の種は地中海東部に限定されており(キプロス及びレバノン)、2n = 30
野生下ではこれら 2種間の交雑は不可能です。
シプリアムは基本的に秋に開花(9月から1月)。するのに対し、リバノチカムは晩冬から早春に開花(2月下旬から4月)するため、栽培において交配が起こる可能性はかなり低いです。しかし、シプリアムは時折、遅い花を咲かせることがあります。得られた子孫は非常に均一であることが判明し、親種のほぼ中間的な特徴を示し、それを証明するかのように、11月から2月にかけて開花しました。
1990 年代初頭にもRobin Metcalfによって証明されました。
1992年にはCyclamen cyprium ‘E.S.’を花粉親として使用した交配、あるいはリバノチカムを雄親として使用した交配により開花期間を10月から3月上旬とさせることにも成功した例もあります。
【花】
若い葉または成熟した葉と一緒に咲き、甘い香りがします。花冠は淡いピンク色またはピンク色を帯びた白で、花弁の基部に濃い紫~マゼンタのW字型またはV字型のブロッチがあり、花冠裂片は狭い楕円形でねじれており、長さは1.6cm~2.2cmで、それぞれの基部に小さいが明らかな耳介があります。より狭い花弁と耳介を備えたかなり小さな花をシプリアムから継承していますが、花冠のピンク色はリバノチカムから継承しています。 花冠裂片の基部の痕跡は、どちらの親よりも顕著です。
【葉】
広いハート形で、長さ2.8〜6cm、幅3〜6cm、幅とほぼ同じ長さで、縁はやや角度があり、わずかに波形で、表面は濃い緑色で、葉の縁に向不規則な灰色のはやけた模様があります。
葉柄は長さ3.5 ~7 cm、下半分はやや肘状になっています。 小花柄は直立するまで上昇し、緑色で紫がかった茶色を帯びています。
葉の縁がかなりはっきりしていない鈍い葉の特徴は、より明らかな鋸歯状で角度のある縁を持つ傾向のあるシプリアムよりもリバノチカムに近いです。
Cyclamen × saundersiae と Cyclamen × Wellensiekii の両方において、リバノチカムが親の 1 つです。それぞれの交配を試みることも面白そうです。
【参考文献】
Cyclamen grey Wilson
Cyclamen Paul Hendrikx