原種シクラメン ミラビレ Cyclamen mirabile

原種シクラメン ミラビレ Cyclamen mirabile

【花期】

10月~11月

【分布】

トルコ南西部のムーラ、アイドゥン地域を中心とするアトリア。ギルディル湖のすぐ西にも孤立して自生。

【生息地】

標高約160~1,600m。主にマツ属の森林やマキのある丘で、雲母片岩層上に生育しているのがよく見られますが、時には礫岩や石灰岩上に生育することもあります。 通常、常緑樹のオークの低木の端の部分的な日陰で成長します。 時には落葉性の樫の木や他の樹木の間でも見られます。
アルピナムも同じくトルコ南西部に自生しておりますが石灰岩の地層に生育しておりミラビレと混合して自生はしていないようです。

【花】

開花時期9月~11月。
ココナッツのような香りがしばしばあります。
通常は葉が展開する直前または葉と一緒に咲きます。花弁は長さ8~26mm、幅2~12mm、淡いから濃いピンク色で濃い紫色のブロッチがあり、縦にねじれて直立します。頂点に顕著かつ不規則な鋸歯があり、場合によっては著しく尖っています。喉は非常に狭いです。花柱の先端は花冠の口からわずかに突き出します。 葯は花筒の中にあり、花柱は突出しません。
花弁の鋸歯の程度は非常に多様で、野生個体群では尖った先端を持つ形態が見られることは珍しいことではありません。 花弁の長さと幅の比率やねじれの程度も大きく異なります。香りは野生の植物では感知するのが難しいことがよくあります。野生において7枚の花弁を持つ花と、花冠の口が上向きに伸びた「スターゲイザー」タイプの花も見つかっています。2n = 30。

【葉】

葉の型は非常に多様で、矢じり型もあれば、幅の広い帯状のものもあります。顕著な鋸歯があります。一般に、表面の模様は、灰緑色または銀緑色に囲まれ中央の深い緑色のツリー模様で構成され、その後、縁まで同じ深い緑色になります。時として一面銀葉の上に輝く深紅色が重なり、葉が成熟すると、深紅が薄れてその下の銀色が現れますが 成熟した葉には赤い色がなくなります。
種名のミラビレは文字通り「素晴らしい」「驚く」を意味し、若い葉によく見られる驚くべき葉の色合いを指します。
葉は一般に長さと同じ幅ですが、時には長さよりも幅が広く、葉身は長さ1.5〜4.2cm、幅は1.4〜4.5cmです。

【葉柄】

塊茎から直接立ち上がります。
長さは 5 ~ 16 cm、紫色または紫褐色です。

【塊茎】

塊茎は球形、または上部がわずかに平らで、多くの場合、成熟すると直径 8 cm に達しますがそれより大きくなることはほとんどなく、成熟するとかなり亀裂が入ります。濃い茶色で、表面は粗くてコルクのようです。
根は塊茎の下部、基部のすぐ上の周囲に輪状に形成され、さらに太い根が基部の周囲に現れます。

【選抜種】

Cyclamen mirabile ‘Tilebarn Jan’
純白ではなく淡いピンクの「鼻」を持ちます。
Jan Hendrik Totaalwaart 教授から与えられた苗の中からTile Barn NurseryのPeter Moore によって発見され名付けられました。

Cyclamen mirabile ‘Tilebarn Anne’
模様のない明るい銀色の葉。新たに出現したときに明るいピンク色に紅潮。花はピンクです。Tile Barn Nursery Peter Moore の娘にちなんで名付けられました。

Cyclamen mirabile ‘Tilebarn Nicholas’
濃い緑色の中央のクリスマスツリー柄の明るい銀色の葉ですが、銀色の領域が新鮮なときに明るいピンク色に染まります。花はピンクです。Tile Barn Nursery Peter Moore の息子にちなんで名付けられました。

【参考文献】
Cyclamen grey wilson
gardener’s guide
cyclamen Genus cyclamen
cyclamen Handboek voor Liefhebbera
Cyclamen of Turkey

※地域性や気候変動、最新情報などご留意ください。