
1.水やり
水を与える際に大切なことは水を滞留させないことです。
水やりの回数は一概には言えません。
日光の当たり具合、用土の違い、風通し等個々に違いがあるためです。
株の栽培年数若しくは大きさに拠っても水やり頻度は異なります。
小苗は連日のように水を与えます。
少ない水やりよりも与え過ぎの方が枯れることが多いですが水不足で葉や花を失った塊茎は、夏が来たと「勝手に思い込んで」休眠してしまう場合もあります。
ヘデリフォリウムは塊茎の中心から根が生えていないため底から水やりをすると根まで水分が届かず、芋が成長しなくなることがあります。不定根が塊茎上部から現れるため 鉢上部から水を与えるのが最善で、時には鉢の内側の端にも控えめに与えます。
水の与え方は種類によって異なります。
塊茎の皮が薄いレパンダムグループ(バレアリカム、クレチカム、ロディウム)コウムグループ(エレガンス、パービフローム、アルピナム)シリシアムグループ(インタミナタム、ミラビレ)は湿り気を好みますが、プルプラセンスグループ(コルチカム)は特に湿り気を好みます。皮が厚いスーダベリカムグループ、シプリアムグループ(リバノチカム)ペルシカムグループ、ヘデリフォリウムグループ(コンフューサム、アフリカナム)、グラエカムグループ(マルチマム)、ロールフシアナムグループは乾き気味を好みます。
2.用土
水捌けが良く通気性の良い用土を使うこと。
例えば赤玉土、鹿沼土これに日向砂若しくは桐生砂を1割程度混ぜる。
経験上、腐葉土の多用は夏越しに悪影響を及ぼす恐れがあります。
軽石は多用すると根の伸長を阻害する恐れがあります。
微塵は水捌けに悪影響を及ぼしますので篩にかけ除去します。
水気を好む種、乾燥気味を好む種がありますので種によって用土を替えるのも良いでしょう。
用土の配合については色々な方法が考えられます。
保肥性、保水性、排水性、通気性どれを第一に考えるか。
水の与え方、肥料の与え方とも関連して考え合わせることが必要になります。
球根を入手した年の休眠期にご自分の栽培方法に見合った用土に植え替えるのをお勧めいたします。pHは5.5~6.0程度が理想です。
3.根腐れ
湿った環境が原因で土壌に存在する菌類が地表下の損傷した部位から植物組織に侵入することがあります。感染した植物には根が黒ずみ、損傷した根から水分や栄養を得られなくなると、葉が萎れ始め、茶色くなり枯れます。
防除するには新しい用土を使用し、十分な排水を確保することが重要です。植物が健康で活発に成長できれば、これらの菌類が深刻な問題になる可能性は低いです。
4.肥料
液肥の希釈については肥料濃度(PPM)から考えます。
例えば仮に園芸シクラメンが40PPMの肥料濃度が適当と考えれば
原種シクラメンはその半分の20PPMで十分と考えます。
PPMは100万分の1の濃度を表すので1g(1ml)を100万g(100万ml)に溶かすと1PPM。
例えば肥料割合2-6-6の液肥の場合窒素分(PPMは窒素分が基準になります)は100分の2なので液肥1mlを2万ml(20リットル)に溶かすと1PPM、
20PPMの窒素濃度を得たい場合は液肥10mlを10リットルの水に溶かすことになります。これで1000倍の希釈液が得られます。
いきなり濃い濃度で与えるより、薄い濃度で回数を多く施肥するのが株に負担を与えないので良いでしょう。液肥は朝に与えましょう。経験上夕方に与えると徒長することもあります。夏の休眠期間や植物が成長を始めていないときは施肥しないでください。
5.植替え
夏の後半になると根が動き始めるのでその前に行うのが良いでしょう。
植替えに最適な時期は、ほぼ常緑の種であるコルチカムとプルプラセンスを除いて、夏の休眠期間中です。
ローフシアナムは、新しい成長期の直前での植え替えをお勧めいたします。
コルチカムとプルプラセンスは3月に植え替えると、良い開花時期を迎えることができます。
塊茎は少し小さすぎる鉢に入るのを好むと言えるでしょう。
アフリカナム、ヘデリフォリウム、ローフシアナムは成長が早いため、多少大き目のポットを用います。コルチカム、プルプラセンス、レパンダムはわずかに高いポットが良いでしょう。グラエカムも長くて多肉質な根に十分なスペースを提供するために、わずかに高い鉢が必要です。グラエカム、ペルシカム、ローフシアナムを除く他の種の塊茎は、1~1.5cm覆土します。ペルシカム、グラエカム、ローフシアナムは鉢土の上約1~1.5cm出てくるようにします。
ポットの直径は、側壁と塊茎の間に少なくとも 1 ~ 2 cm が残るようにします。ヘデリフォリウムは花や葉の茎を鉢の端に向かって伸ばす傾向があり、鉢の中心が空いて見えることがあります。レパンダムにも同様な傾向があるのでわずかに広い鉢に植えると良いでしょう。ヘデリフォリウムは塊茎を部分的に地面から出すことも考えられます。
グラエカム、ペルシカム、ローフシアナムを除き、塊茎を完全に露出させることは決してお勧めいたしません。根が損傷する可能性もあります。特にアフリカナム、ヘデリフォリウム、ローフシアナムに当てはまります。
夏の間に乾燥球根を入手した場合、桐生砂、日向砂等の軽石に一旦植えることも良いでしょう。
植替えが間に合わない場合、簡便法としてポットの用土の上半分を水捌けのよい鹿沼土、赤玉土等に取り換えることも良いでしょう。この場合、リン酸分が多い肥料を少なめに与えるのも良いです。この方法により良い開花が得られます。
6.置き場
ヘデリフォリウムは半日陰が適しています。
グラエカムは、自生地では木や岩の陰で育つ場所、または植物が塊茎を太陽から遮る場所で繁茂します。これは、水分と涼しい根の走行が必要であるためだと推測します。
グラエカムのように日光に割と耐えられる種もありますが一般的に鉢植えのシクラメンは、地植えのシクラメンよりも明るい日光に敏感です。レパンダムのような種では、日光が葉焼けを引き起こすこともあります。暑い日には、日陰を確保し、風通しをよくし、水やりをする必要があります。
7.地植え
植える場所は落葉樹や低木の根元、または家や庭の壁の南または南東の壁の根元に植えるのが好ましいです。冬には、塊茎は低木、樹木、グランドカバー、あるいは壁の暖かさからある程度保護されますが、夏には塊茎は休息期間中かなり乾燥した状態になります。
植え付けの深さは4〜6cmが良いでしょう。
耐寒性の強い種の場合は 4 cm 、耐寒性の低い種、あるいはパービフロールム、プルプラセンス、レパンダム等夏の乾燥を好まない種は6cm の植え付け深さをお勧めいたします。
プルプラセンス、レパンダム、パービフロールムを除いて、ある程度の日光を好む種類は多いです。レパンダムの葉は非常に薄く、乾燥には弱いです。野生では、パービフロルムの生息地は常に湿っています。このため北側の湿った場所が好まれます。プルプラセンスは夏でも葉を保つ種なので、乾燥させないことが必要です。
ヘデリフォリウムは非常に旺盛なため、他の種と混植するのは避けたほうが良いです。
深めに植える場合は排水性を考え軽石を予め植え穴に敷くことをお勧めします。
本ページの内容は、関東南部での栽培経験をもとにしています。お住まいの地域や気候、日照・風通しなどの栽培環境によって適切な管理方法は異なりますので、それぞれの環境に合わせて調整してください。
これまでの栽培経験や記録を振り返りながら、今後も少しずつ内容を加筆してまいります。
